シリーズ初の直接的な続編ということで、大きな期待を持って視聴。
シーズン4の人気エピソード「宇宙船カリスター号」のその後を描く本作は、期待を裏切らない、いや、ある意味で期待を上回る衝撃を与えてくれる一作でした。
前作のファンであれば、間違いなく必見のエピソードです。
続編としての評価ですが、単なる後日談に終わらず、物語の世界観をさらに深く、広く掘り下げている印象。
自由を手に入れたかに見えたカリスター号のクルーたちが、広大なオンラインゲームの世界で新たな困難や脅威に直面する展開は、前作とはまた違ったスリルとサスペンスに満ちています。
企業の陰謀なども絡み、より複雑で息つく暇もないストーリーになっており、続編として十分な見ごたえがありました。
クローンたちの必死のサバイバルと、彼らを取り巻く状況の厳しさには、思わず引き込まれる。
自由を手に入れることの難しさ、そしてその先にある更なる試練が描かれており、単なるSFアドベンチャーに留まらない深みを感じさせてくれました。
そして、ラストに対する意見ですが…これはまさに『ブラック・ミラー』。
一筋縄ではいかない、非常に衝撃的な結末が待っていました。
希望が見えたかと思えば、また別の、もしかしたら以前よりも厄介な困難が訪れることを示唆するような終わり方です。
観終わった後には、その強烈なインパクトに呆然とし、後味の悪さとともに「この先どうなるんだ…?」と考えずにはいられませんでした。
賛否は分かれるかもしれませんが、これぞ『ブラック・ミラー』と言える、忘れられない余韻を残すラストだったと思います。
『ブラック・ミラー』史上初の直接的な続編!
あの衝撃的なシーズン4第1話「宇宙船カリスター号」のその後が描かれるとあって、期待せずにはいられませんでしたね。
そして、その期待に応えつつ、予想を裏切る新たな地獄を見せてくれるあたり、やはり『ブラック・ミラー』は一筋縄ではいきません。
前作でデイリーの支配から脱出し、広大なオンラインゲームの世界へ飛び出したカリスター号のクルーたち。
自由を手にしたかに見えましたが、今作ではその「自由」がいかに脆く、危険なものであったかが描かれる。
「タグなし」の異分子として追われ、パーマデス(完全消滅)の恐怖と隣り合わせのサバイバル。
そこに、現実世界の企業の陰謀や、新たな敵(現実のウォルトン)が絡み、物語は息つく暇もない展開を見せる。
特に、会社の保身のためにクローンたちを平然と消去しようとする現実のウォルトンの卑劣さは、デイリーとはまた違った質の「悪」を感じさせる。
そして、物語の鍵を握る存在として別のクローン・デイリーが登場する展開も皮肉が効いていて良かった。
最終的に、ゲーム世界そのものが崩壊する中、ナネットの意識が現実の身体に戻る…までは、ある種の救いかと思われました。
しかし、彼女の頭の中に全クルーの意識が転送されてしまうという結末!
これはもう、悪夢としか言いようがありません。
物理的な牢獄から、今度は精神という究極の閉鎖空間へ。
一難去ってまた一難、しかもより深刻でパーソナルな問題に直面するという、まさに『ブラック・ミラー』らしい、救いようのない、それでいて強烈なインパクトを残す幕切れでした。
自分の頭の中に仲間たちがいる、という前代未聞の状況に置かれたナネット。
彼女たちの未来は?
「宇宙船カリスター号: インフィニティの中へ」は、ファン待望の続編として、オリジナルのテーマ性を引き継ぎつつ、企業の陰謀や新たな倫理問題を加え、さらに複雑でダークな物語へと昇華させていた印象。
自由とは何か、意識とは何か、そしてテクノロジーは私たちをどこまで変えてしまうのか。
衝撃的な結末は、僕たちに重い問いを投げかけ、シリーズの持つ底知れぬ深みを改めて感じさせてくれた気がします。